漫画・本の日焼けを防止する方法|黄ばみの原因や取り方も解説!
このページでは、漫画・本の日焼けを防止する方法について詳しく解説しています。
- 漫画・本の日焼けを防ぎたい
- 漫画や本の黄ばみを取りたい
- そもそもなんで漫画・本って日焼けするの?
といった方の参考になれば幸いです。
目次
漫画・本が日焼け、劣化する原因ってなに?
漫画や本が日焼けする原因は紫外線です。
紫外線といえば太陽の光。
つまり日光に当たると日焼けが起こるということですね。
ということで以下では日焼けを含めた、漫画・本を劣化させる原因を深堀りして見ていきます!
日焼けする原因は知ってるから、早く防止する方法が早く知りたい方はこちら!
紫外線が原因の日焼け
窓際など長期間直射日光が当たる場所に漫画や本を置いていると、日に焼けて表紙がぼろぼろになったり、中の紙が黄ばんでしまいます。
天日干しなど適度に日光に当てれば本についた虫を排除することができる効果もありますが、当てる時間が長くなると紙やインクの劣化を早めることになるんですね。
ではこの日焼けという現象、どういうメカニズムで起こっているのでしょうか?
その鍵は紙に含まれているリグニンという成分にあります。
リグニンは紫外線や酸素、熱に反応して科学的な変化をおこします。
これによって黄ばみなど日焼けが起きる、というわけです。
ちなみに日光だけでなく、蛍光灯の光にも紫外線は含まれます。
そのため蛍光灯を使うような生活空間に本を置いている場合、日光を避けていても日焼けする可能性があります。
紫外線以外の漫画・本を劣化させる要因
紫外線による日焼け以外にも、
- カビによるしみ
- 酸化による黄ばみ
- 虫食いによる穴あき
など、漫画や本を劣化させる要因はあります。
次はこれらの要因を詳しく解説していきます!
湿度の高い環境で発生するカビ
カビは湿気が高い場所を好み、ほこりや汚れをエサに繁殖します。
そのため長期間ほこりっぽく湿気の高い場所に漫画や本を保管しておくと、カビが発生してしまうんですね。
漫画や本にカビが生えるとそれが黒い点々としたシミとして定着してします。
カビが原因のシミは見た目に汚らしく見え、査定の際に減額の対象となります。
空気に触れているだけで起きる酸化
酸化は空気に触れただけで起きます。
これは新聞紙をイメージしていただくとわかりやすいかと思います。
新聞紙は一般的に酸性紙でできていて、20年程度で酸化し黄ばみが見られるようになります。
また状態もぼろぼろになっていきます。
30年から40年前に出版された本は新聞紙と同じく酸性紙が使われていることが多く、そのため昔の本は黄ばみや劣化が早いです。
古本屋などで見かける昔の本の状態が悪いのは、ただ経年で劣化しているだけではないわけですね。
一方、最近の漫画や本は中性紙を使う事が多いです。
中性紙は酸性紙と比べれば酸化しにくいですが、それでも長期間空気に触れ続けていれば酸化は進んでいきます。
つまり本棚にきれいに並べていても空気がある以上は、酸化は避けられないということになります。
本を美味しく食べてしまう虫
本を食べてしまう虫の存在にも注意が必要です。
本を食べる虫は文字に使われているインクが好物なので、ページに潜り込んでむしゃむしゃと本を食べてしまいます。
このような本を食べてしまう虫でよく見られるものとしては
- 紙魚(シミ)
- 茶立虫(チャタテムシ)
- 死番虫(シバンムシ)
の3種類があります。
紙魚
3匹のなかで一番名前が知られています。
平たい体に長いしっぽと触角が特徴で、大きさは1cmくらい。
魚のようにくねくねと素早く動くため気味が悪く、苦手な人も多かったりします。
寿命は7~8年と昆虫としては長生きなほうで、本を食べる時は紙の表面をかじるクセがあります。
茶立虫
1~2mmほどで非常に小さくベージュ色をしています。
湿度が高く、暗く、汚い場所にいることが多く、カビやホコリなどを好んで食べます。
死番虫
2~3mmほどの体長で楕円形をしていて、紙のほかにも食品や木材なんか食べます。
紙魚とは異なり、紙の表面ではなく、本を垂直に、貫通するように食べ進めるのが特徴。
また家の柱などを食べて家をボロボロにしてしまうシロアリも本を食べます。
頑丈な柱ですらスカスカにしてしまうくらいなので、本となれば修復できなくなるほどの大きな穴が空いてしまいます。
漫画・本の日焼け、劣化を防止する方法
さて、ここまでは漫画や本が日焼けしたり劣化する原因についてお話してきました。
では日焼けをはじめ劣化を防ぐ方法はないのでしょうか?
以下ではその点を詳細に解説していきます。
窓際に置かない
窓際は日が差し込むうえ、湿度も高くなりがちです。
そのためどうしようもない場合を除いて、窓際に本を置くべきではありません。
可能であれば日光が届かない場所に本棚を置きましょう。
それが間取り的に不可能なら、別の部屋、またはスペースがあるなら押し入れに収納してもいいです。
どうしても窓際に置かなければならない、という方は
- 扉つき本棚を使う
- 遮光カーテンをつける
- 窓に紫外線防止フィルムを貼る
などの対策方法もあります。
揃えるのにお金はかかりますが、どれも効果が望めるアイテムです!
日光に当たる場所に本棚があっても扉を閉めておけば、紫外線をガードすることができます。
また遮光カーテンをつけ、さらに窓に紫外線防止フィルムを貼れば、部屋のなかに入ってくる紫外線を大きく減らすことができます。
すべて揃える必要はありませんが、いずれかの対策をとることで窓際に置いたとしてもだいぶ日焼けを防ぐことができるかと思います。
4つのポイントを意識して保管する
上記でお伝えした通り、基本的には日光を避ければ漫画・本の日焼けを防ぐことができます。
では日焼け以外の劣化から漫画・本を守るにはどうすればいいのでしょう?
結論を言えば、
- 押入れに保管するならカビ・ほこり対策をする
- 長期間保管するつもりなら酸化の対策もする
- しおり、帯は外して保管する
- 防虫対策をして保管する
の4つの対策をすれば、漫画・本をキレイな状態に維持することができます。
以下では、これら4つのポイントを一つづつ解説していきます!
押入れに保管するならカビ・ほこり対策をする
漫画・本を押入れに入れて保管すれば、日光が届かないため日焼けを大きく抑えられます。
ただ置いておくだけではダメ。
暗所は湿度が高くなりやすく、ほこりっぽいため、カビが発生しやすいです。
そのため
- 収納ケースに入れてほこりからガードする
- 乾燥剤で湿気を取る
と良いでしょう。
これで日焼けを防止しつつ、カビの発生も防ぐことができます。
長期間保管するつもりなら酸化の対策もする
酸化から漫画・本を守るなら、極力空気に触れさせないようにしなければなりません。
そこで便利なのが、ジップロックなど密閉状態にできるビニール袋。
このなかに入れておけば空気が入らないため酸化を抑えることができます。
ただすべてを入れておくのは現実的ではありません。
何百冊もある蔵書すべてをジップロックに入れるとなると、時間もお金も相当かかってしまいますよね。
なので特にキレイな状態で取っておきたい漫画や本を厳選して、この方法で保管しておくといいかと思います。
しおり、帯は外して保管する
漫画・本を保管するときは、しおりや帯は外しておいたほうがいいです。
上記で酸化しやすい酸性紙の話しをしたが、中性紙の間に酸性紙をはさむと酸化しにくい中性紙であっても酸性紙の影響で酸化してしまう可能性があるからです。
酸性紙が中性紙の酸化を促してしまうわけですね。
また帯をつけたまま保管していると、日焼けをしてしまった場合に帯がかかっていた場所とそうでない場所で色の違いが出てしまいます。
なのでコレクター気質で帯を取っておきたいという方は、外して別に保管しておくことをおすすめします。
特に気にしないという方はすっぱり捨ててしまってもいいでしょう。
仮に買い取りに出すことになっても帯のありなしは、一般的に査定の評価に影響はしません。
防虫対策をして保管する
日焼けは紙の色が変わるだけですが、虫は紙を食べ、そうなると本の一部が欠損してしまいます。
そのため虫が出ないようにすることも大事です。
簡単にできることとしては、虫が好む環境を作らないこと。
具体的には
- 定期的に本にたまったほこりを払う
- 押し入れ、扉がついた密閉できる本棚は換気を行う
- 湿度が高いと感じたら除湿器やエアコンの除湿で湿度を調整する
など、どれも日常の掃除のついでにできることなので、ぜひやってみて下さい。
あとは、防虫剤で虫除けをするのも効果的です。
代表的な防虫剤には
- 即効性はあるが長続きしないネオパラエース
- 効果はまずまずだけど安全なムシューダ
などがあります。
どちらも効果はあり、普通に市販されてるので用途に合ったほうを選ぶと良いです。
ただ防虫剤の中には含まれる成分が化学反応を起こし、それが紙にシミを作る原因になることもあります。
気になる場合は、虫よけ効果のあるハーブを使ってもいいでしょう。
特に紙魚はラベンダーの香りを嫌うと言われています。
使い方はかんたん!
ラベンダーの100%天然のアロマオイルを紙に何滴か染み込ませて、本棚に置いておくだけ(人工物だと効果がでないから注意)
本を荒らすを安全に遠ざけることができ、さらに部屋もいい香りになるので興味があれば試してみて下さいね!
透明カバーを付ける
漫画や本にカバーをつけることで、漫画・本を本棚から取り出すときなどにつく傷を防ぐことができます。
ただ布製や革製のブックカバーは単価が高く、すべての本につけるとなるとお金がかかります。
そこでおすすめなのが、透明カバー!
透明カバーはビニールでできてるから安いです。
そのほか、
- 背表紙が見えた状態で並べられる
- 汚れや水分からを守ることができる
- ものによってはUV加工がされている
といったメリットがあります。
UV加工というのは、かんたんに言えば紫外線を通さないように作られているものですね。
そのため日光や蛍光灯などによる表紙の色あせや紙の劣化を防ぐことができます。
以上、漫画・本の日焼けや劣化を防ぐ方法をお伝えしました。
ポイントは3点!
- 窓際に置かない
- 4つのポイントを意識して保管する
- 透明カバーをつける
お金がかかるものから、ちょっとした手間でできるものまであります。
あなたの懐事情や取れる時間に合わせて、できる範囲で取り入れてもらえればと思います!
日焼けしてしまった漫画・本の修復
上記では漫画・本の日焼け、劣化を防ぐ方法についてお伝えしました。
これから保管する予定の漫画や本があるかたは、お伝えした方法を使うことで対策できるかと思います。
でもすでに黄ばんでしまったものは、どうすればいいのでしょうか。
答えを先に言えば、日焼けをして黄ばんだ漫画や本は
- 紙やすりで削る
- 衣料用の漂白剤を使う
ことで、修復することができます。
ここではこの2つの修復方法について見ていこうと思います。
紙やすりを使う
漫画・本の黄ばんでいる部分は、紙やすりを使うと修復することができます。
紙やすりはお近くのダイソーなどで手に入れられます。
目が荒いものと細かいものがありますが、両方用意しておくと良いでしょう。
紙やすりを用意できたらさっそく研磨していきましょう。
といっても、難しいことはありません。
黄ばんでいる天、小口の部分を紙やすりでやさしく擦っていくだけです。
目が荒いものをはじめにかけ、細かいもので仕上げをするイメージで使うといい感じになります。
擦るときに均等に力がかけられない方は、フリスクのケースなど硬い箱状のものに紙やすりを巻いて使うと上手くできますよ!
衣料用漂白剤を使う
シャツの襟の黄ばみを落とすのと同じ用に、衣料用の漂白剤を使って黄ばみを白くする方法もあります。
こちらもやり方は簡単。
やわらかい布に漂白剤を染み込ませ、本の黄ばんでいる部分を軽く拭きます。
漂白剤が乾いたら別の布に水をしみこませ、できる限り水分を絞りとります。
ご存知の通り紙は水気に弱いので、ぎゅーーーーっと絞って下さい!
できたらさきほど漂白剤で拭いたところをトントンとたたきましょう。
これで新品のような白さは望めませんが、ある程度黄ばみを取ることはできます。
修復の注意点
紙やすりにしろ、漂白剤にしろ失敗すると商品価値がなくなる恐れがあります。
紙やすりは全体を均等に削らないと、黄ばみと白い部分がまだらになってしまいます。
漂白剤も使う量、水の量を間違えると紙がふやけてしまいます。
特にふやけるて紙が波打ったりすると、最悪もとの黄ばんだ状態より悪くなってしまうかもしれません。
そのためもしチャレンジするなら自己責任で、なおかつ大切なものを修復するなら実験台で練習してからやったほうがいいでしょう。
まとめ
このページでは、漫画・本の日焼けを防止する方法を中心に、日焼けや劣化の原因、日に焼けて黄ばんでしまった本の修復方法などをお伝えしてきました。
まとめると
- 漫画・本の日焼けの一番の原因は紫外線
- その他カビ、酸化、虫も漫画・本の劣化させる
漫画・本の日焼けや劣化を防ぐには
- 窓際の日光が当たる場所に置かない
- 押入れで保管するなら乾燥剤を使ってカビ対策をする
- ジップロックに入れて空気に触れないようにする
- しおりや帯は外しておく
- こまめな清掃、防虫対策をする
また、日に焼けて黄ばんでしまった漫画・本を修復する方法としては
- 紙やすりをかける
- 衣料用の漂白剤を使う
の2つがある、という感じです。
大好きな作品、絶版でもう手に入らない作品などはキレイな状態で取っておきたいものです。
またやむなく処分するようなときがきても、日焼けや劣化が少なければ高く買い取ってもらうこともできます。
ぜひここまでにお伝えしてきたことを実践し、漫画や本の保管にチャレンジしてみてください!
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